方法記憶と読書
昨日の記事では大学受験生のころ、最も参考にしたWebサイトを再検討した。
http://d.hatena.ne.jp/nijiku/20090202/1233575305
端的にまとめれば、勉強はじっくり(考えて)繰り返せ、というのが、同Webサイトの主張のこのブログにおける修正案である*1。
- 作者: 池谷裕二
- 出版社/メーカー: ナガセ
- 発売日: 2002/04/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書の中では「方法記憶」という概念が登場する。
「知識記憶」と「経験記憶」の二つの記憶について説明してきました。しかし、皆さんの脳の中にある記憶の種類は、この二つだけでしょうか?(略)もう一つ大切な記憶がありますね。(略)たとえば、自転車の乗り方や服の着方などの記憶です。つまり、ものごとの「手順」や「やり方」です。(略)こうした記憶は「方法記憶」と呼ばれています。
方法記憶をつかった勉強方法は数あるが、たとえば、論理や理屈でものを覚えることもその一つである。いいかえれば、記憶は「失敗」と「繰り返し」によって形成され強化されるものなので*2、じっくり考えること(=論理や理屈で考えること*3)を繰り返せ、ということになる。昨日の主張は、脳科学の観点からも補強できそうだ。
しかし、試験勉強や受験勉強は締切りや「よい点数をとらなければ」というプレッシャーからじっくり考える余裕をなくしがちである。当の私も「理屈」では本書の主張を理解していたつもりだったが、実際には「あまり考えず」勉強していた。「勇気を持って、ゆっくり行け」は北京五輪での北島康介選手だけでなく、上達したい人すべてへのエールといえるかもしれない*4