丁寧に読むこと、繰り返すこと

大学受験生のころ、最も参考にしたサイトである。
http://www.geocities.jp/nagare_basi/study/stdy_mokuji.html
詳しくは、サイトをみていただきたいが、主張されていることをまとめると

読むことを繰り返すことで理解が深まる

ということである。たとえば、

わからん科目は教科書を10回読むことである。ここで大切なことは、5回目までは、わかろうとか覚えようとか思わずに読むことだ。ここが第一のポイントである。
http://www.geocities.jp/nagare_basi/study/stdy2/stdy2_1_1.html

という記述がある。筆者は、とりあえず繰り返すことを主張する。

受験生時代、法則なるものを探していたので*1何も考えずに真似した。はじめに取り組んだのは日本史である。二週間に一度、教科書一冊読むようにしていた。もちろん、これだけが要因ではないだろうが、テストでは点数が取れるようになった*2他の科目でも真似した。倫理、英語、数学、生物、ある程度まではとれるようになった。

おそらく試験勉強では記憶によって解ける問題が多く占める。それゆえ「目を通す」ことだけでもそれなりの点数が取れるのであろう。本質的に理解していなくても「問題」は解けるからである。

しかし「繰り返す」だけでなんとかやっていけるのは、おそらく試験勉強までである。研究・論文執筆となると話は別だ。自ら新たに理論を構築せねばならない。他人の真似ではなく、オリジナルをつくろうとするとき「ただ繰り返す」だけでは難しいだろう。なぜなら、ただ繰り返すだけでは表面上の文字を「覚える」ことに終始してしまう可能性があるからである。これは実際に自ら体験した上での反省でもある。

おそらく、オリジナルなものをつくる時に求められるのは何度も「ざっと」繰り返すことではない。じっくりと論理を追うことである。哲学者で大阪大学総長の鷲田清一氏は、対談本『哲学個人授業』の中で「研究する本は1ページ目から一文一文順番に読んでいく」といった旨のことを書かれていた。読み飛ばししない、そういう読み方である。

もちろん「ワンランク上の勉強法」に書いてあるように「繰り返すこと」で理解が深まることもある。ここで大切なのは、ゆっくり読むことと繰り返し読むこととのトレードオフを理解しておくことである。どちらか一方だけでは不十分なのだろう。どちらも理解を得るための<読み>には必要である*3。ゆっくりを繰り返せ*4。本質的な理解はあっさりとは得られない。

*1:詳しくはhttp://d.hatena.ne.jp/nijiku/20090128/1233099056

*2:結果的にセンター試験では満点だった

*3:体験では、大学受験での現代文は「ゆっくり」とした読みを繰り返すことでできるようになると思われる

*4:http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/060314/index.html