『非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門』
文章読本との出会いは中学生の頃である。『本当の学力は作文で劇的に伸びる』という本を高校受験の前に読んだ。「過去形」と「現在形」を交互に書く。形容詞で感情を表さない。等など、物語を記述する技術を学んだ。
高校生の時には、吉岡友治氏の文章読本を読んだ。小論文試験に対応するためである。問題・解決・根拠の三つの要素を文章に組み込むと、すっきりと議論がまとまることを学んだ。
非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門 (ディスカヴァー携書)
- 作者: 飯間浩明
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2008/12/20
- メディア: 新書
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このヒントになったのは、日本語の文が、助詞「は」の無いものと有るものに分かれるという事実です。(略)この二つの違いを文章レベルに広げれば、日記文とクイズ文の違いになります。
いいかえれば、主観的か客観的か、ともいえるかもしれない。前者が作文であり、後者が小論文である。
この区別をつけることが何に役に立つのか?具体的には、筋の通った議論をしたいときに有用であると考えられる。議論においては、真理に到達することを目的とする。真理には、論理が重ねられて達することができる。論理を支えるものは客観性だ。主観的な何でもかんでも思ったことをいっていても明確な結論は出ない。それゆえ、私の発言はクイズ文か?と問うことは議論において役立つと考えられる。
時に日記文においても、一見、クイズ文に見えるものがあろう。私は、○○は××だと思う。なぜなら△▽だからだ。というような形である。しかし、本質は形式にあるのではない。「主観的に述べるか」「客観的に述べるか」のいずれかなのだ。
この本をざっと読むと問題・結論・理由、という形式さえ守れば、なんでも伝わるかのように思ってしまうかもしれない。しかし形式の背後にある論拠を理解し、筆者の主張を誤解しないように留意すべきだろう。それが論理的な文章を書くための第一歩であるように思う。